殺人鬼と私


 「特に考えてませんでした……とりあえずナギに会いに行こうかと思ってましたけど…どうやら留守のようですし。このまちでやることはもうほとんど無いかもしれません」


 ナギ…?ロムスの友達かな。ラックみたいな。それよりもこれからの予定がなかったんだ。


 「ロムス……あんた無計画に女の子連れ回してたの?」


 リーラさんが呆れたかのような声を出す。しかしロムスはそれを気にすることもなくイスから降りる。


 「おじゃましました。とりあえず名もなき街に戻ってみます」


 「あそこに……戻るの?」


 「はいミラベルさん。初心忘れるべからずと言いますしね」


 ………なんか、違う気がする。まぁいいんだけど。一旦あの街を出た身からしたらあの街には戻りたくなかった。




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