殺人鬼と私


 それから私とロムスは店を出て、名もなき街へまた歩きはじめた。私の足どりは重く進むのは遅かった。ロムスの足どりは軽いままでどんどん差が開く。

 そのたびに戻ってきてくれたり休憩してくれたりした。しまいには謝り始める始末。

 この人…全然殺人鬼らしくない。

 殺人鬼っていうと精神が異常で頭がどうかしてるイメージがあった。でも、ロムスはちがう。笑っている人を見ると殺したくなるとか言うのにメガネを持ち歩いていたりするのがその証拠だと思う。


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