お隣さんはイケボなあなた
窓の外は、行きの道で期待していたあの綺麗な夜景だった。
青や赤、黄色のただの電球の集まりが、輝いて見えるのは、一種の魔法のようだ。
遠くから見ると、こんなにもキラキラしている。
千紗が思わず見とれていると、矢嶋が、ふっと呟いた。
「ホントはもう少しゆっくり千紗ちゃんとデートしていたかったんだけど」
えっ。
デート……。
今、矢嶋さん、デートって言ってくれたよね。
聞き間違いじゃないよね。
千紗は、なんだかだんだん顔が赤くなってきている気がした。