お隣さんはイケボなあなた
なんでこの人はこんなにも、あたしを嬉しくさせるようなことばっかり言うんだろう。
こんなにあたしのことをドキドキさせて、自覚はないのかな?
それともからかわれてるのかな。
男に慣れてなさそうな女だからって、反応を見て楽しんでるのかな。
色んな気持ちで胸が一杯になる。
けれども、千紗は、この淡く光る外の夜景に、見とれることにした。
からかわれていようと、なんだろうと、隣にいるのは、矢嶋さん本人なんだもの。
今のこの幸せな瞬間を少しでも味わっていたい。
千紗は、そう思っていた。