お隣さんはイケボなあなた
8 好きという気持ち
あの日は、家まで……といっても、同じマンションだが。
送ってもらって、そのままお開きとなった。
次回の約束もできずに。
色々突っ込みたいこともあったけれど、言えなかった。
デートって言ってくれたのは、冗談ですか?
それとも少しは期待していいんですか?
彼女はいるんですか?
あたしのこと、どう思ってますか?
――もうこれ、矢嶋さんのことを好きってことじゃん。
頭に浮かんだ言葉を全部並べてみて、千紗はそう思った。