お隣さんはイケボなあなた

久志のことを信用してないわけではないけれど。

言いふらしていたらどうしよう。

向こうで付き合っていた女がしつこくてさ、なんて言われてたらどうしよう。

 
考えたらきりがないくらい、悪いことって考えられる。

別にネガティブなつもりなんてないけれど。

久志とのことを誰にも話せていないからだろうか。

胸に積もり積もった、ぐちゃぐちゃした気持ちに飲み込まれそうになる。

 

千紗は大きく息を吸ってから、体を起こすと、窓の外を見つめた。

 
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