お隣さんはイケボなあなた
窓を静かに開けて、ベランダへ出る。
ここから見る夜景は、本当に綺麗。
千紗は、もう一度、深呼吸をする。
さっきとは違う冷たい空気が胸の中にスーッと入ってきた。
もう時計は、一時を過ぎている。
夏が近いからだろうか。
この時間外に出ていても、涼しく感じる程度の心地よい風が吹いている。
「はぁ……」
もう何度目だろう。
ちょっとしんどい時って、意識しなくてもため息が溢れてしまう。