お隣さんはイケボなあなた

もちろん、カナタのラジオで、少しは気が晴れるけれど。

やっぱり毎日行く会社で、ストレスを感じていると、さすがにテンションは上がらなかった。


「あーあ、有給使っちゃおうかなー」


思わず、呟いてしまう。

でもそんな風に休んだら、噂のせいでずる休みだと思われるのがオチだ。

祥子の言うとおり、落ち着くのをひたすら待つしかないのだろうか。

千紗は、腕を目一杯伸ばしてみる。

片目を閉じて見てみると、そこには、手の届きそうな夜景の明かりの粒たちが輝いている。
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