お隣さんはイケボなあなた

そんなことを言われたって。

千紗は、上司の焦り具合を見て、反論できなくなってしまう。


「そういうわけだから、今日、明日、で引き継ぎやってね。頼むよ」


そう言うと、彼は肩をぽんと叩いて行ってしまう。

何がなんだかわからない。

営業課なんて、無理だ。

とうてい出来るわけない。

それに、希望を出しているもっと優秀な人なんかたくさんいるはずなのに。

なんで自分が。

千紗は、頭の中がぐるぐるしてふらつきそうになるのを必死に耐えた。
< 161 / 290 >

この作品をシェア

pagetop