お隣さんはイケボなあなた
12 優しさといじわると
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遠くで車のクラクションの音が響いている。
こんな時間でも、公園にはジョギングやウォーキングをしている人が数人いた。
空気は澄んでいて、見上げるビルの灯りも綺麗だった。
けれども、千紗の心は全く晴れない。
しぼんで小さく丸まって潰されたような感覚だ。
もうあれから嫌というほどため息をついたせいか、乾燥しすぎて喉も痛い気がする。
さっきの出来事が、どうしても自分の中で消化できずにいた。
仕事のためとはいえ、そんな扱いを受けて、耐えなきゃいけないんだろうか。
営業課っていつもそんなことばっかりなんだろうか。
そんなの、あたしにできる?
千紗は、何度も自分に問いかけた。