お隣さんはイケボなあなた
「とりあえず、僕の部屋行こう? 話聞くから。さすがにこんな所にいたら冷えちゃうよ」
矢嶋は、そういうと千紗の肩を優しく支え、マンションへと向かった。
彼の部屋は相変わらず綺麗に片付いていて、いい匂いまでしていた。
自分の部屋とは大違いだな、なんて思う。
カウンターの椅子に座らされ、白いタオルを渡される。
「涙、吹いて」
矢嶋は、そう言うとキッチンに戻っていった。
すぐにお湯が湧き、カチャッと目の前にティーカップを差し出された。