お隣さんはイケボなあなた
「ごめんって」
矢嶋は、ぽんっと千紗の頭を撫でる。
「だって、千紗ちゃん。全然連絡くれないなからさー」
彼はそう言うと、千紗の真似をして拗ねたふりをする。
「連絡って……」
「くれなかったでしょ? 僕待ってたのに」
「ええっ。あたしも待ってましたよ! 連絡くれなかったのは、矢嶋さんも一緒じゃないですか!」
そうだ。
仕事で忙しくてあまり考える余裕はなかったけれど。
どうしたって家に帰ってきたら隣が気になってしまう。