お隣さんはイケボなあなた
♢
「明日、大阪から、何人かこっちに来るから。資料まとめておいて」
「分かりました」
千紗は、手帳にサラサラっとメモをする。
彼女の指示は的確で分かりやすい。
そのせいだろうか。
矢嶋のことで頭か回っていなかったからだろうか。
それとも、もうすっかり意識してなかったのか。
千紗は、大阪という単語を当たり前のように聞き流していた。
おかげで、なんの心の準備もなく、再開してしまうことになった。
半年前に別れた元カレ。
久志と……。