お隣さんはイケボなあなた
「信じ、らんない……」
昨日の自分を責めたい気持ちで一杯になった。
こんな可能性があるなんて、なんで気づかなかったんだろう。
新しいプロジェクトを任された時に、もっと用心するべきだった。
まさか、彼がいるなんて。
予想できたとしても、仕事を選ぶことなんて出来ないけれど。
わかっていたら、もっと覚悟できたかもしれない。
「なにしてるの? 藤永さん、会議始まるわよ」
ふっと入り口から斎藤課長に声をかけられて、ビクッとしてしまう。