お隣さんはイケボなあなた
≪さて、金曜日の今日は「思い出ソングを語り合おう」のコーナーです。
リスナーの皆様のリクエスト曲と、その曲にまつわるエピソードをメールかツイッターで送ってください。
メールアドレスは○○@……≫
千紗は洗い物をしながら、冷蔵庫の上に置いたスマホに耳を傾ける。
カナタについて分かっていることは、同じ東京の空の下に住んでいるということと、この甘くて優しい声。
時々、ツイッターに上がる服装や、ごつごつした指から推測するに、細身で高身長だということだ。
逆に顔なんて分からなくて良かったのかもしれない。
声だけで、十分魅力的だと思うから。
千紗は、洗い終わったマグカップにインスタントコーヒーを入れた。