お隣さんはイケボなあなた
「そのてんこっちは、いいっすねえ。斎藤課長もいるし、そこの端の、名前なんだっけ!」
その男は、千紗を指さしている。
「藤永です」
「藤永ちゃんも、可愛いしさぁ!! お酌してよー、お酌」
そう言われて、思わず、眉をしかめそうになってしまう。
真っ赤な顔をして、手をぶらぶらさせていて、かなり酔っているようだったが。
それにしたって、感じ悪い。
「だらしないわね」
斎藤課長は、呆れ返っているようだったが、彼は変わらず大声で、千紗に手招きをしていた。