お隣さんはイケボなあなた



「わっ!」


次の日の昼休み。

いきなり後ろから肩を叩かれて、膝の上に乗せていたおにぎりを落としそうになる。

恐る恐る振り返ると、祥子が立っていた。


「こんなとこでお昼ですかぁ?」


そういう彼女も、手に菓子パンをぶらさげている。

ちょこんと、隣に座ると、祥子は千紗の顔を覗き込んだ。


「あっちでうまく行ってないんですかぁ?」


ここは、ちょっとした備品などが置いてある部屋で、先輩の笹野がまだいた頃、祥子とよくここで食べていた場所だった。

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