お隣さんはイケボなあなた
♢
「わっ!」
次の日の昼休み。
いきなり後ろから肩を叩かれて、膝の上に乗せていたおにぎりを落としそうになる。
恐る恐る振り返ると、祥子が立っていた。
「こんなとこでお昼ですかぁ?」
そういう彼女も、手に菓子パンをぶらさげている。
ちょこんと、隣に座ると、祥子は千紗の顔を覗き込んだ。
「あっちでうまく行ってないんですかぁ?」
ここは、ちょっとした備品などが置いてある部屋で、先輩の笹野がまだいた頃、祥子とよくここで食べていた場所だった。