お隣さんはイケボなあなた
「な……なんで、祥子ちゃん、知ってるの……」
千紗は、震えそうになる手をぎゅっと握りしめる。
「会社にいる人で、公にできないって言っていたのとぉ、名前のイニシャルが、Hだって話してましたぁ。
それに、あとは単純に、会社の出たところの柱の影で、キスしてるの、見ちゃったんですよぉ」
その言葉にガンッと頭が殴られるような衝撃を受けた。
久志が、浮気……?
ううん。
もしかして、あたしが浮気相手だったの?
必死で考えをまとめようとしたけれど、うまく回らない。