お隣さんはイケボなあなた
15 告白
♢
エレベーターを降りるあたりから、かなり気持ち悪かった。
千紗は、ふらつく足を何度か絡ませながら、手すりに捕まった。
「気持ち悪……」
人の部屋の前の廊下で、吐きそうになる。
なんとか耐えて、また歩き始めた。
自分の部屋がやけに遠い気がする。
足元だってよく見えない。
今さらになって、
「こんなに飲むんじゃなかった」
そう後悔していた。