お隣さんはイケボなあなた
矢嶋は目が合うと、ニコッと笑いながら言った。
「よし、彼に会いに行こうよ」
決めた!
と言わんばかりの言い方に、千紗は思わず聞き返す。
「会いにですか?」
「そう。どうせ、向こうも暇してるから電話してきてるんだろ? それとも、仕事絡みの電話だと思う?」
「いえ、それは、多分他の人に電話すると思います……」
いくら同じチームになったからと言って、千紗はただの補佐。
できることなんてほとんどない千紗に、直接指示したり聞いたりするようなことはないはずだ。