お隣さんはイケボなあなた
◇
カナタのラジオを聴くのは、久しぶりだった。
ここの所、忙しくて家に帰ってきてもゆっくり時間が取れなかったのだ。
もうそれこそ、矢嶋のことどころではないくらい、平日は仕事でいっぱいいっぱいだった。
前は、カナタと矢嶋が同一人物なのかどうか、すごく気になったけれど。
もちろん、今だって頭の片隅にはチラつくこともある。
でも、多分それは、今までの気持ちとは少し違うのだ。
きっと、彼と付き合うようになったから……。