お隣さんはイケボなあなた
3 もしかして
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土日のレンタル店は結構混んでいる。
ここは駅からも近く、品揃えもそこそこだった。
毎週のようにここに通って、映画を借りて、久志と観ていたのが懐かしい。
だけど、千紗は、いまだに映画だけはあの部屋で見る気になれないのだった。
時々、思い出がありすぎるあのマンションを引っ越してしまおうかな、なんて思う時がある。
だって、いつになったら彼のことを忘れられるのだろう。
何をするにも、頭の隅っこでチラつくのは久志の影なのだ。