お隣さんはイケボなあなた

「あ、俺、終電だから帰ります。藤永さんも、だよね」



彼の一声で、上司があっさり解放してくれたのをよく覚えている。

後から聞いたのだが、電車で二駅隣に住んでいた彼は、何度か千紗を見かけていたらしい。


その飲み会の帰り道。
 
電車の中で、二人は同じミュージシャンが好きということで盛り上がった。

後日チケット手に入ったけど一緒に行く?」と、彼がこっそり誘ってくれたとき、千紗は飛び上るほど嬉しくて。
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