お隣さんはイケボなあなた
≪実は先日、僕、引っ越したんですけど。この週末に新発見をしたんです。
ベランダからね、人差し指くらいの大きさですけど、スカイツリーが見えるんですよ。
スカイツリーの点灯と夜景がすごく綺麗で。
でもよく考えたら、僕、平日は毎日、夜はラジオの生放送ですから。
家にいないんですよね。帰ったら夜景どころか、すぐ寝ちゃってたんで。
ちょっと勿体無いことしたな、なんて。≫
そういうと、カナタは少し笑ったようだった。
カナタの住んでるところからも、スカイツリー、見えるんだ。
千紗はふとベランダのカーテンの隙間から外を覗く。
片目を細めて右手の人差し指をスカイツリーの横に並べてみる。
「丁度このくらいかな」