お隣さんはイケボなあなた
そんな彼に、カナタは少し笑いながら相槌を打っていた。
≪そうやって笑ってますけど、カナタさんならどうするんですか?≫
ナイスだ、若者!
思わず千紗は、そう言いたくなった。
そうそう、それが聞きたいのよ、と。
≪僕、かぁ。うーん。≫
カナタは、少し迷っているような感じで間を開けたあと、くすっと笑う。
≪僕なら、ハーツのチョコ買っていきますね。≫
えっ?
千紗は思わずスマホをガン見してしまう。
≪だって女の子って、ハーツのチョコ、好きなんでしょ?それあげたら機嫌直るかなって。≫
その笑い方に、千紗の胸はきゅぅんと音を立てた気がした。