お隣さんはイケボなあなた
5 偶然
矢嶋さん――。
久志と別れてから、男の人なんて興味が持てなかったけれど。
唯一気になる存在の彼。
でも、「ただのお隣さん」
距離が縮まることなんてないと思っていた。
ある日。
◇
彼から連絡が会ったのは、土曜の夕方。
スマホへショートメールが入った。
『美味しい「北海道産のいくら」食べませんか? この間の宅配のお礼です』
のんきに鼻歌を歌いながら、部屋でゴロゴロしている時だった。
千紗は思わず、スマホの画面を二度見する。