お隣さんはイケボなあなた

「んっ?」


キッチンで何か用意している彼の姿が目に入った。


「もうできるから、座って座って!」


矢嶋はカウンターを指差した。

えっと。

どういうことだろう。

千紗は言われるがまま、席につく。

冷静になってみると、なんだかすごくいい匂いがする。

矢嶋は、なんだか楽しそうにカチャカチャと準備をしていた。

ここまできて、千紗はようやく理解ができた。

彼のメール。


『うちに来てください』


その意味がようやく分かったのだ。
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