お隣さんはイケボなあなた

「藤永さんってば、難しく考えすぎなんですよぉ」


祥子は、デザートのプリンを頬張りながら言う。


「難しく……？」

「そうですよぉ。だってもう答え出てますよ、きっと」


祥子はにっこり笑った。

笹野も千紗も、彼女の言っている意味が少し分からなかった。

どういうことだろう。

答えが出てる？

ぴんとこない二人に、祥子は「こんな簡単なこともわかんないんですかぁ？」とふてくされた。


「だって、その相手の人、藤永さんにとって、気になる人って言葉に出せちゃうくらいの相手なんでしょう？　

それってはっきり言っちゃうと、もう好きってことじゃないんですかぁ？」


さっくりと、祥子は言い切った。