お隣さんはイケボなあなた
7 一歩
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――ピンポーン、ピンポーン。
千紗は、可愛いケーキの箱を片手に、お隣のチャイムを押す。
中から足音が聞こえて、彼が顔を出した。
「こんにちは」
約束したのは3時。
『美味しい紅茶を貰ったので午後のティータイム、僕の家でしよう』
そう言ってくれたのは、矢嶋だった。
彼の部屋に行くのは、これで二度目。
それでも緊張はする。
「あの、美味しく出来たか、わからないんですけどっ。
あ、いや、ちゃんと出来たはずなんですけど、お口にあうかな……」
緊張しすぎて、訳のわからないことを言ってしまう。