お隣さんはイケボなあなた
思わず千紗は、呟いた。
「こんな絶品な紅茶が入れれる知り合いがいるなんて、ずるいです」
染め物ができる知り合いに、美味しい紅茶がブレンドできる知り合い。
彼の周りには、なんでそんなオシャレで粋な人がいるのかしら。
どういう人生を歩んできたらそんな人と出会えるのかな。
そう思うと、なんだか拗ねたくなってくる。
口をとがらせたまま、紅茶を飲んでいる千紗を見て、矢嶋が笑いながら言った。