わたしの居場所
予想は的中
玄関の扉を開けば女物の靴が置いてあった
「お父さん、どういうこと?これ」
「恂に会わせたい人がいるんだ。
悪い人じゃない。
話だけでもしてみてくれないか」
やっぱり、再婚しようとしてたんだ。
うつむいてた顔を上げたその時
『あなたが、恂ちゃん?』
柔らかい満面の笑みを浮かべたその顔はどことなくお母さんに似ていた。
『はじめまして、更科 恵(さらしな めぐみ )です
光輝さ、あっ…お父さんから恂ちゃんのことよく聞いてるの
恂ちゃんのお父さんの会社で同期だったの』
一人でペラペラと話すところはお母さんと正反対だった。
『あっ、入って入って!』
言われなくても自分の家だから入るけど…。
「……どうも。」
それだけ言って逃げるように自分の部屋に逃げた。
時刻は10:49あらわしていた。
学校に行くには早すぎるけど、この家を出たかった。