流れ星に4回目の願いを呟く時。
 二日酔いは当然やって来て、翌日の浮腫んだ顔に、中々ファンデーションが乗ってくれない。


 鏡を見ながら、少し腫ぼったい瞼をした目をとにかく直そうと思うが、これはどうしようもない。


 腹が立つのは、由美子に全くそのダメージが無いということだ。当の彼女は今日も朝から早起きして、楽しそうに朝食を食べていた。


 気難しい母親とも何故か打ち解けていて、父親にいたっては見送りが無いと寂しいといった感じだ。


 昨日あれだけ諦めないと言っていたが、夜が明けて気持ちがガラッと変わったらしく、今日は観光することになった。


 しかし観光と言っても、この町にそんな名所は無い。隣町の方なら少しそれらしきスポットもあるが、だからと言ってわざわざ観光に行くほどの場所でも無い。


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