流れ星に4回目の願いを呟く時。
 由美子の攻撃が上手いこと脳を刺激して、その日の夜こそはゆっくり眠れると思っていた。


 しかし夜はまた空虚な闇を連れて来て、長い長い終わらない時間がやって来る。


 子どもの頃は夜が長いものだなんて、思ったことは無かった。目を閉じれば朝がやって来て、そのあまりにも短い夜を恨めしいとさえ思っていたこともあった。


 夜が長いということに初めて気が付いたのは、あの時だろう。


 私には忘れらない夜の記憶がある。





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