流れ星に4回目の願いを呟く時。
  そんな彼に入学してから1年が経っても恋人が出来ないことに、皆疑問に思っていたことも確かだが、私はそこまで興味があったわけでは無かった。


 大学という場所は、本当に面白い場所だ。高校までは彼女が欲しいなんて一言も言ってなかった男子たちが、入学早々豹変したかのようにそれを言い出す。


 いや、高校でも彼女が欲しいと言っているのは確かだが、だからと言って彼らはそれを具体的な行動に移そうとはしない。



 それが制服を脱いで大学という門をくぐった瞬間から、その消極的なベールをも脱いでしまう。


 男は狼。本当に上手いことを言うもの。それはまるで、高校までは何かの皮を被って隠しているのだ。


 しかし、それは女子も同じだった。


 男子のように公に声をあらげるようなことはしないが、女子もよく集まってはそんな話に花を咲かせる。


 だから、入学して直ぐに枯れてしまう桜を惜しむものは、あまり大学の中にはいなかったりする。


< 119 / 210 >

この作品をシェア

pagetop