流れ星に4回目の願いを呟く時。
8. 書き手の躊躇
8. 書き手の躊躇
The Great Gatsby、日本だとそれは『華麗なるギャツビー』という名で知られている。
恋の思いを抱き続けた1人の男の純情さと、それと対照的な相手の裕福な女の一見冷酷な生き方を描いたこの物語は、その男の生き方を常に、私たちに考えさせる。
しかし私は、その物語の中身よりも、この物語を書き上げるまでの制作秘話のような部分に、惹かれていた。
本の冒頭で作者のスコットは、この本を世に出すために何度も何度も文を書き直したということを記している。
たとえ偉大な作家であり、華麗な文章を書けたとしても、それでもより良いものを描こうと苦労して造られているのだ。
ならば、ただでさえ素人である私がそんな、華麗なる文を書けるはずがない。有りえないのだ。
そう自分に言い聞かせる理由。それは去年の年末にまで遡ることになる。