流れ星に4回目の願いを呟く時。
 私たちは恋をするという装置を持って産まれて来ると考えてみたらどうだろうか。


 それは磁石のようなもので、自分が愛しいと思える人を引き寄せる、もしくは引き寄せられるという仕組。


 恋なんて子どもには分からない、と言う人も多いが、私たちは子どもの頃から、別に理由も分からずに誰かを自然と好きになっていたりする。大人になっても、自分が何故その人のことを好きになったのか、説明することは難しい。


 色々な人と出会い、色々な経験を繰り返して行く中で、最も強い磁力で惹かれ合う人がいて、くっ付いたら死ぬまで一生離れないし、それが偽物の磁力なら、途中で離れてしまう。


 文法を勉強するよりも、簡単な話でしょ。


 だって、それは心臓とか肝臓とか呼吸器とか、産まれた時から理由も無く私たちに備わっていて、無意識のうちに働くのだから。


 生物学みたいな複雑でややこしい知識が無くても、私たちの心臓が動いているように、その機能を知らなくても、勝手に恋をしてくれるの。




 こんな下らない思考回路ばかりに逃げている。











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