流れ星に4回目の願いを呟く時。
 保留というマークを探している暇は無い。期限が迫っている。


「もうこの際、真貴子って人か、カケルくんの友達に連絡して、会ってみれば。」


 このずっと続いていた馬鹿げた私の躊躇いは、由美子の横で行われていた。


 その間由美子は何度も痺れを切らして、コンビニと私のアパートを何往復もしていた。おかげでテーブルの上には山のようなスナック菓子と缶ジュースで埋め尽くされ、もう置き場も無ければ逃げ場も無かった。


「うーん。」


 会ってみる。


 それが一番有効な方法かもしれないが、一番勇気が必要な方法ではある。額には冷たい汗がじんわりと湿り始めていた。


「もう10年も会ってないのに好きなんだから。会ってみれば絶対何かが起こるわよ。」


 「何かが起こる。」





 


 


 
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