流れ星に4回目の願いを呟く時。
 ポケットに入れていたiphoneに目をやると、2012年の天気がハイテクに表示されていて、そこにはもう20世紀の面影はなかった。


 由美子さんからメッセージが届いています。


 緑色の画面をスワイプすると、そこにはただ、頑張れ、とだけ書かれていた。


 「頑張れ、か。」


 雲の切れ間から顔を出した朝日を映す海が眩しくて、綺麗だった。


 「うん、頑張る。」


 私はぎゅっと強く手に力を込めて、そう呟いた。


 由美子とも眺めたこの海も、そう言っているような気がした。





 
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