流れ星に4回目の願いを呟く時。
11. 告白
11. 告白
コーヒーの入ったグラスの周りに水滴ができては落ちていく。時おり氷の溶ける音がしては、その度に落ち着かなくなり、ストローでかき混ぜた。
ランチタイムを過ぎた喫茶店には客は1人もおらず、がりがりと店主が豆をミルで砕く音と、それが雫となってゆっくりぽたぽたと下にあるポットへ落ちて行った後の香だけが飽和している。
公園の奥にあるこの小さな喫茶店を選んだのは、この客の少なさと、あまり人目につかない場所にあったのを知っていたから。そしてもちろん、コーヒーの味が自分の舌と喉によく合うと思っていたからだ。
カランカランと、ドアの開く音が響いて、その直後に硬いヒールの足音が入ってきた。
それはゆっくりとこちらへ近づいてきて、私の座るテーブルの前でぴたりと止まった。
ゆっくりと顔を上げると、そこにはOL風の若い女性が立っていた。
目は少し細めで、小麦色の肌に高い鼻。タイトめのブラウスを着こなす大きな胸。
「ごめん、待った?」
真貴子だった。