流れ星に4回目の願いを呟く時。
「ありがとう。でも本当よね。大学時代は夏休みもお正月休みも、ほとんど向こうだったら。だから今日、久しぶりにホタルに会えて嬉しい。」


「うん。私も。」


 私は今日、真貴子に話さなければならないことが沢山あった。


 カケルとはどこで会ったのか。彼は今どこで、何をしているのか。


 カケルとは、いつから付き合っているのか。


 でも、口を開いて出てくるのは在り来たりなものばかりだった。仕事はどうだだとか、向こうでの生活だとか、ダイエットだとか。どれも電子上でも出来ること。


「ねえねえ、それよりホタルは今彼氏とかいないの?」


「ううん。いないよ。私、全然モテないから。」


「嘘よ。私おばさんに聴いたのよ。大学に入ってから直ぐに彼氏出来たんでしょ。結婚とかしないの?」


 自分が情けなかった。あれだけ頑張るって息巻いていたのに。何も出来ない自分を嫌いになりそうだった。



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