流れ星に4回目の願いを呟く時。
 中学を卒業後、私は無い頭を酷使して、どうにか合格出来た地元の公立高校に進学した。地獄のような日々であったことは言うまでも無い。


 真紀子はバレーの推薦で強豪校へ進んだ。そして勉強もスポーツも出来たカケルは、誰もが県内でも有数の進学率を誇る北高に行くものだと思われていたが、彼は結局県内のどこの高校にも進学しなかった。


 以前にカケルのお爺さんが病気に倒れて亡くなったらしく、その後目を継ぐため家族で引っ越すことになり、卒業式も待たずに遠い遠い町へと去って行った、と聞いていた。


 高校へ入学してからも、私はバスケを続けた。良い友人、良い先生との出会いもあり、特に2人の人生の恩人が出来た。


 1人は同級生の女の子で、彼女の家によく遊びに行っていた。彼女には幼い弟妹がいて、その子たちとよく一緒に遊んだことが、今の仕事に大きく影響していることは間違いない。


 そしてもう1人は英語の水島先生。先生と出会っていなければ、いや先生が担任じゃなかったら、私は保育士はおろか、大学にさえ行けていなかった。


< 29 / 210 >

この作品をシェア

pagetop