流れ星に4回目の願いを呟く時。
 成績が悪い私に、今までどんな先生もお手上げ状態だった。なんせ高校生にもなって私は連立方程式の解き方さえ完璧にはマスターしていなかったからだ。


 部活に勉強と、厳しい毎日だったが、水島先生が3年間担任をしてくれたお陰でどうにか人並みのレベルには追いつくことが出来た。


 大学の名前は東大くらいしか知らなかった私に、水島先生の存在は偉大で、3年の頃には、先生のような先生と呼ばれる仕事に就きたいと一念発起して、水島先生の出身大学を目指すことになった。


 弱小校だったがレギュラーにもなれた充実した部活生活が終わり、受験勉強まっさかり。


 塾にも通い、死ぬほど勉強した。その姿は既に追い込まれて死にかけた浪人生のそれと同じようなものだったが、勉強をする私を見て両親は喜び、協力を惜しまなかった。


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