流れ星に4回目の願いを呟く時。
 大学に入ってから、私の中で起こった一番のビッグイベントは恋愛だろう。


 高校では結局、仲良くなった男子はいたが、だれとも彼氏彼女の関係になることはなかった。


 しかし、大学生活は毎日が大きく変化する。別にカケルのことをすっかり忘れてしまったわけでは無かったが、私も普通の女。目に見えない相手だけをずっと思い続けるのは難しい。


 バスケのサークルで一緒だった同じ英語学科の同級生と1年間の交友関係を経た後に付き合うことになり、20歳の間に、男女で行えることの殆どはその時に経験した。


 今でも覚えている。初めての時、不思議なことに、あれほど思っていたはずだったのに、私はカケルのことを一切思い出すことは無く、その彼を受け入れていた。多分。


 しかし、この彼もなかなか訳ありで、別に裏切られた訳では無いが、3年の冬学期には、私たちの関係は既に終わっていた。


 彼とは結局1年しか交際しなかった。別にこちらから告白したわけでもなければ、私が彼に一目惚れをしたというわけでも無かった。




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