流れ星に4回目の願いを呟く時。
 彼は確かに少し、カケルの面影を匂わせるような、カケルと似ているところが多い人ではあった。


 バスケが得意で、最近の大学生にしては勉強が好きで、よく図書館で見かけることが多い、どちらかと言えば硬派な感じの男子。


 私が浪人していたため、1つ歳下だったが、なかなか頼り甲斐もあり、何度かレポートでもお世話になった。


 付き合い始めてからも、硬派な一面は変わらず、人並みにデートをしたり、一緒に勉強をしたりして、まあ教科書通りの、健全なお付き合いだった。


 しかし、2年生のお正月に事件は起こる。


「ホタル、俺来年度から大学変わるんだよね。」


 お互いの両親にも会っていたし、喧嘩も少なく、どこかで、もしかしたら一生一緒にいる人なのかもと思っていた私に、それは衝撃的はひと言だった。


 勉強が好きで、教授陣からも期待を寄せられていたのは確かだが、まさか急に私を置いて、より高みを目指すために他大学へ編入すると、言い放って来たのだ。


 彼の部屋で紅白歌合戦を見終わり、ベッドの中で言われたそのひと言に私は言葉を失った。


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