流れ星に4回目の願いを呟く時。
 いつのまにこんなに考え過ぎるようになってしまったのか。


 教室に戻り、女の子たちが散らかしたおもちゃを片付けながら、痛い頭をより痛くさせていた。


 しかし、実際にそれは考え過ぎだった。


「ゆうかの先生、随分疲れた目をしてたな。なんかバタバタして出てきたし、先生、病気でもしてるのか。」


「お病気してないと思うよ。いっぱいお昼寝したから。」


 背中に揺られながら、ゆうかは答えた。



「そっか、お昼寝か。えっ、お昼寝。」


 なぜ朝からお昼寝。どうやら疑問符を打たれたのはホタルの方も同じだったらしい。


「お兄ちゃん、お腹空いた。」


「よーし、急いで帰ろう。お兄ちゃんの肩にしっかりつかまってろよ。」


 仲睦まじい兄妹は雪の降る町を、滑るように駆けていった。


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