流れ星に4回目の願いを呟く時。
 雪はクリスマス会当日まで降り続いていた。山は白く染まり寒さをいっそう感じるようになっていたが、商店街はいつもの賑わいを保っていた。


 町一番のアーケードは、都会に比べればその規模の小ささは比にならないが、色とりどりの電飾に包まれたこの美しく暖かい空間は比べものにならないだろう。


 夏は少し煩く感じる魚屋さんも、この時期になると冬眠したように口が開かなくなる。それは八百屋も、お肉屋さんも同じだった。


 皆この時期ばかりは、日々の売り上げよりも、この日々を客店関係なく楽しんでいる。



 まさに、クリスマスの準備が整ったと言えるだろう。


 余所者に冷たいこの町も、トナカイに乗ってやって来る赤い服を着た新参者には違うらしい。











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