流れ星に4回目の願いを呟く時。
 ジングルベルの鈴が鳴る。


 忙しく悩ましい日々を頑張った甲斐があってか、ゆり組のクリスマス会は大成功を収めた。


 少し不安だったピアノも、1つのミスも無く、保護者の方々とも良い時間を過ごせた。


 何より、子どもたちが楽しんでいたことが、一番安心した。


 クリスマスが終われば、園はお正月休みに入る。


「今年のお正月はどうするの。」


 忙しい日々が終わり、職員室も随分と雰囲気が変わっていた。由美子の目の下のくまも綺麗にとれて、元の愛らしいぱっちり目元にすっかり戻っていた。


「今年は、未だ決めて無いですね。」


 去年のお正月は初任で今年よりもバタバタしていたし、年明けの行事の準備もあったので結局実家には帰れなかった。


 その代わりに両親がこちらへ来てくれたのだが、今年は未だ連絡が無い。


「もし暇ならうちにおいでよ。美味しいお酒が手に入ったから。」



「またお酒ですか。」



< 42 / 210 >

この作品をシェア

pagetop