流れ星に4回目の願いを呟く時。
 考えれば考えるほど無駄な体力は失われていく。最近どっと疲れていたのも、そういうものが偶然重なってしまったからだろう。


 そう考えると、自然とその日の夜はぐっすり眠れた。


 可笑しな長い夢を見る事も無く、静かな夜は瞬く間に過ぎていった。


 しかし、寝た場所が悪かったら何の意味もない。久しぶりの悪態。炬燵寝。


 これまでこれを何度繰り返して来たことか。浪人生時代から苦楽を共にしてきたこの炬燵も、呆れているだろう。


 炬燵の中はブラックホールになっている、みたいな本を昔読んだことがあったが、まさにそうだ。


「寒い。」


 寒い朝に炬燵を出るとき、それが一番勇気がいる。好きな人に告白する勇気にも匹敵するくらい、覚悟がいるものだ。




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