流れ星に4回目の願いを呟く時。
 炬燵へ戻り、ハサミを入れる。手紙を手で破いて開くタイプの人もいるらしいが、前に嫌な経験をしたことがあり、そのタイプになることはなかった。


 だから、早く開けたいという気持ちは分からないでもない。


 速達の手紙は開けるのが結構面倒なことが多い。開けたと思えば、また次の封筒が入っていたりする。


「ふう。」


 少し緊張しながら、手紙を見る。宛先は私の実家になっており、どうやら、私がここに来ていることを知らない人らしい。


 おそらく口煩いお母さんが、バイクに乗った配達員に文句の1つでも言ったことだろう。そしてそれをお父さんが宥めて、とまた無駄な思考回路がぐるぐる。


 とにかく誰が送ったのか。裏がえして見ればわかることだ。




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