流れ星に4回目の願いを呟く時。
「そっちはどうなのよ。片思いしてたんでしょ。誰かさんに。」


 痛いところを突かれたのは私の方に違いない。


 結局、あの手紙を読んでしまったことで、私の今年のお正月は酒正月になってしまった。


 強い強いと思っていた自分が、今は全く自信が無い。年齢とか経験は差し引いても、どうしてこうなってしまったのかは、分からないでいる。


 由美子は諦めずに、今でもその彼のことを想っているいるらしいが、私は一度折れてしまった。


 ずっと1人の人間を追いかける難しさを知っているから、由美子のことは凄いと思う。


「もう、無理かなって。やっぱり、ダメだったんだと思います。」


 少しの間が空いて、その由美子の問いに答えた。


 そうなのだ。究極のことを言ってしまえば、私は、私が何もしなかったから。それに尽きる。 


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